6.英語の基礎をきちんと学ぶ
肝心の英文法をどう身につけるのか
さて、英語が「使えるレベル」に達するには、英文法の理解がどうしても必要であることはお話しました。私たちが「英語は自然には身につかない」と結論づけたのは、この英文法を自然に身につけることが難しいからでした。では、その英文法をどうやって身につければいいのでしょうか。
母語の場合、膨大な実践の中からほぼ無意識に言語の仕組み(=英文法)を発見し、それを使いこなせるようになります。外国語環境の場合、言語体験の絶対量がはるかに少ないため、この仕組みが自然には身につきません。そこで、「まず仕組みを先に学び、それからその使い方を練習する」という手順を踏むことになります。
前提となる体験と、練習する機会を与える
これには二つほど重要なポイントがあります。一点は、仕組みを先に教えるといっても、多少の体験はそれよりも前に与えておくべき、ということです。そしてもう一点は、英文法の使い方を練習する場が与えられるべき、という点です。
まず、一つ目についてです。ちょっと場違いな比喩ですが、カレーライスの作り方を誰かに教えるとしましょう。カレーライスがどんなものかを全く知らない、食べたことも、見たこともない。そんな相手に対して作り方を説明するのは結構大変です。相手にとっても予測が働かないので、途中で「なんだ煮込むのか。」とか「あの黄色い固まりは何だ?」とか「ええっ、ご飯にかけて食べるのか!」とか思うでしょう。これでは相手も理解しづらいので、ふつうは「まず先に食べさせてから教えよう」となるはずです。つまり、英語の場合も多少の体験が先にないと、イメージをつかむことができず英文法を理解しづらい、ということです。
次に二つ目ですが、英文法を一応理解した上で、それをスムーズに使いこなせるように練習する機会が必要です。これが用意されていないと、使えるレベルで英語を身につけることができません。また、動機づけの面からも実践の場を用意することは大切です。カレーライスの作り方を習うにしても、実際に自分で作ってみる機会は必要だろうし、それがないと説明を聞く時にも身が入らないだろう、ということです。まあ、カレーの話はもういいんですが。
実は、私たちオーシャンがレッスンでやっていることは、上に書いた二つのことなのです。より細かく言えば、一つ目は小学生についての話、二つ目が中学生についての話ということになるでしょう。そして、この二点が、従来および現在の学校における英語教育で欠けている部分だと思うのです。
中学レベルの英文法で言えること
ここまで「英文法」という言葉を何度も使って説明してきましたが、具体的にそれがどんなものなのかイメージしにくかったかもしれません。そこで、「中学レベルの英文法がきちんとできればこれくらいのことが話せる」という例を、少しですが挙げてみます。
・あなたのお祖母さんはどこに住んでいますか。
・明日の朝は6時に起こしてください。
・一週間に何コマ英語の授業がありますか。
・私たちはふつう朝食にご飯を食べますが、今朝はパンを食べました。
・ここに駐車してはいけません。向こうの角に駐車場があります。
・彼はなぜ警察に行かなければならなかったのですか。
・英語を身につけるための一番いい方法は何ですか。
・冷たい水を一杯いただけますか。
・私たちは毎年海外旅行に行きます。あなたは他の国に行ったことがありますか。
・私は大きな窓のある部屋を探しています。
これは、ほんのほんの一部ですが、これくらいがサッと言えるレベルというのは、まず目指すべき目標として悪くはないと思うのですが、いかかでしょうか。